朔(さく)とは、一般的に「新月」と呼ばれる現象を指します。

陰暦(旧暦)では、新月が現れる日を月初めとしていたため、一日を「月立ち(つきたち)」と呼び、

後に「朔日(ついたち)」という字をあてがうようになったそうです。

「八朔(はっさく)」とは「八月朔日」の略で、旧暦8月1日のことを意味し、

現在の新暦に直すと、8月下旬から9下月旬頃となります。

ちなみに果物のハッサクは、「8月1日ごろには食べれる」と発見者の住職が述べていたことから、明治1886年(明治19年)に名づけられました。

八朔には、目前に控えた稲の収穫の予祝として、恩人などに初穂を贈答する「田の実節供」と呼ばれる風習が、農家の間で古くから行われ、中世以降では、武家や公家、商家でも、お世話になっている人へ品物を贈り、祝賀の意を表すことが慣わしとなっていたそうです。

江戸時代になると、1590年のこの日に、徳川家康が江戸城入りしたことから、武家にとってきわめて重要な日となり、大名や旗本などが、白帷子(しろかたびら)を纏って登場し、将軍家に祝辞を述べる「八朔御祝儀」と呼ばれる行事が行われていました。

現在でも、一部地域で八朔の行事は行われており、京都の花街では、芸妓や舞妓が新暦8月1日に、師匠やお茶屋などへ挨拶に回ることが慣わしとなっています。

福岡県芦屋町では、長男・長女の誕生を祝い、男児のときは藁で編んだ「わら馬」、女児のときは米粉で作った「団子雛」を家に飾る、300年以上続く伝統行事があり、香川県丸亀市では、馬術の名人・曲垣平九郎に因んで、米の粉で「八朔だんご馬」を作り、男児の健やかな成長を祈る風習があります。

そのほか、八朔に行われていたお祭りを、新暦に直して開催しているところも夀いようです。