このところ釣りがかった話しが続いているんだが、今日の獲物もかすかに海に縁のある話だ。
日本ではないチップの話しがくっついているから、それを承知でご賞味いただきたい。
ところで、アメリカのカントリー音楽界のリジェンド、ハンク・ウイリアムズをご存知かな?
Your Cheatin’ Heart とか Hey Good Lookin’ などは、いまでもアメリカ人が涙ぐむハンク特有の哀愁があるいい歌だ。
いや、脱線せぬうちに話しを戻すが、そのハンクの歌のなかに Jambalaya というのがある。
そのひと節に ♪Jambalaya and a crawfish pie and fillet gumbo….♪ というのがある。
その gumbo の話しが今日のテーマだ。
回りくどいが、まあお付き合い願いたい。
このガンボというのは、肉や甲殻類(写真はエビ)、とろみ成分、それに「聖なる三位一体」と呼ばれる野菜(セロリ、ピーマン、タマネギ)とで作る、まあスープなんだが、アメリカ南部辺りで親しまれている人気料理だ。
それがしは味わったことがないんだが、スープとしてはとくに特色はなく、エビなどの味が生きたローカルなものらしい。
さぞ旨いもんなんだろうな、から、そんなに旨いものかな、まで、ひと様々だろうが、このご仁にはよほどお氣に召したんだろう。
あるワシントンDCの某料理店でガンボを食べた一人のお客が、ガンボ代の$93に$2,000のチップを載せた、というのだ。
それも昼飯だったとか。
このお客、やることが粋だった。2,145倍のチップをこう分けろと指示をしていったというのだ
「シェフには$1,000、サーブしてくれたウエイトレスと店のオーナーに$500ずつやってくれ給へ。」
テーブルに伝票の側にさり氣なく置かれた小切手の額を見たウエイトレスの驚くまいことか。
「ショックでした。口が聞けなかったわ。二度も三度も見なおしたの」。
裏話は、このお客と店のシェフはガンボの好みでメールをしており、チェフのターナーさんは「次にお見えの時は、あなたのだけの特製ガンボをお約束します」と宣言して、食べにくる日まで決めてあったらしい。
ともかく、この法外なチップについては、オーナーのクリストファー・ナルデリさんは、「ゼロがやたら多くてね、メガネをかけ直しましたよ」と。
それはチップのことはアメリカへ行くたびに、それがしも気になるんだが、こういう馬鹿げた話はついぞ聞いたことがない。