味覚をいうなら、パンは焼きたて、切りたてに限ります。
それが思うようにならないのはカビが生え劣化が進むからでしょう。
さて、パンをでできるだけフレッシュに保つには、何かいい方法がないでしょうか。
パンの劣化について、ここでチェックしておきたいことがあります。
まずカビ胞子 は害にはならないけれどどこにでもいるということ、カビ胞子 が成長するには十分な栄養、例えば一枚の美味しいパンなどがあって、恰好な環境があって、温かく湿気があればいいということです。
もし、パンをプラスチック(湿気を逃さない)に入れて温かいところ(冷蔵庫や皿洗い機の上とか)におけば、カビには天国いるようなものです。
劣化となるとやや様子が違う。
古いパンとは乾いたパンだと思われるでしょうが、ハロルド・マギーは「On Food and Cooking」でデンプンの老化が進んだ状態、と説明しています。
素人の言葉に置き換えると、パンが焼けるということはデンプン粒が周囲のグルテンから湿気を吸收する、ということ。
パンの劣化が始まるとその湿気はグルテンに戻って再結晶することなのだ、ということ。
劣化したパンに含まれる湿気の量は、焼きあがったばかりのパンと変わらないのです。
食べる側にしてみれば、湿気が望ましくない方へ移動してしまった状態だということ。
どんなパンでも劣化はするものですが、それを遅くすることはできるのです。
まず、パンをプラスッチクに入れてはいけない、と「The Larousse Book of Bread」の著者、エリック・カイザーはいいます。
そうするとパンの劣化を早めるばかりでなく、噛み切りにくしてしまう。
次に、パンを冷蔵庫には入れなさんな、とカイザー氏。
冷蔵庫に入れるのは、パンの劣化をもっとも早めるのだそうだ。
パン、とくに手造りで凝ったパンは、フキンか紙袋にくるんで乾いた場所におくのか一番いい。
それは ブールからサンドイッチ・ローフまで、同じことです。
カイザー氏は、パンは大きいほど長持ちするという。
例えばバゲットなどは早めに、例えば焼いてから8時間以内に食べてしまうに限る。
「うちの天然酵母の ブール、Tourte de Meuleなどは10日も保つと客がいいます」という。
でも、覚えておいて欲しいのは、フレッシュさというのは微妙なものだということです。
カイザー氏はパンは焼きたてが一番だという。
2〜3日は保つが、オーブンから出て数時間以内の味がもっとも良い、と。
時間が経ってやや劣化したパンを、元気にする方法があります。
熱しなさい、トーストじゃなくて熱をかけるのです。
350度で10〜15分熱をかければ、パンはしなやかに、パリッとします。
もう一つの方法は冷凍してしまうことです。
「無駄がないしいつでもフレッシュなパンが食べられる」とカイザー氏はいう。
プラスチックにいれフリーザー焼けを避け、1ヶ月は冷凍保存できます。