缶ビールの大きさの「椅子」SitPack
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世のかなにはは面白いことを考える人間がいるものだ。
この製品もその一つ、思いついてみれば、つっかえ棒の原理で考えたポータブル椅子だ。
もう地下鉄で立ちん坊する悩みはなくなった、という触れ込みだ。
音楽祭で立ち見、いや立ち聞きしながら、あるデンマークの起業家が考えた:立ち見しながら椅子があれば、….。
フォルディング・チエアは持ち歩けない、折りたたみ難い、立ち見する人に混じって使えない、などなど。
大きなフェスティバルになれば、椅子なんか音樂が終わればゴミ扱いだ。
そして3年後、この起業家はひとつ製品を思いついた。
スイットパック()という、ポケットに入れて持ち歩き、いざというときには尻を載せて三脚、いや一脚になる。
考案者のひとり、ニコライ・バックがいうには、「ほら、よく手に持ち歩く物、水とか飲み物とか、ビール、ソーダなんか。持てばそんなものに見えるものがいい、って考えたんだ」。
畳(たた)めば缶ビールよりちょっと長め、でも径はだいたい同じ。
カチンと開いて、横棒を引き出してそこに座る。
プラスッチク製だが、十分強靭で、286ポンドの体重を支えられる。
デザイナーたちは先刻承知なのだが、人はしょっちゅう座るこが多いわけで、この製品の用途は立ってる人へのちょっとしたサポートという感覚の製品なのだ。
デザインが行き届いていて、骨盤と脊骨をしっかり支えるから脚の自由度はバランスよく確保されている。
開発者たちはまだ若く、スポーツでヒザと背中を痛めている。
「長く立っていると座りたくなる」とバックさん。
「フィジカル・セラピストなど専門家の意見も叩いて周って、背中やヒザの痛みを軽くするのに役立つ仕事をしているつもりなんです」
と説明する。
小さくまとまった製品なので、日常に使ってもらえることを期待しているようだ。
椅子を持ち歩いているから、公共交通機関も乗り気になる。
バス待ちのちょっとした時間に、カチッと出して座ってほしい、とバックさんはいう。
デンマークでは公共交通機関がよく混雑するという。
滅多に座れないわけで、これで助かると思う、という。
足先にゴムが付いていて、滑ったりはしないから、移動中のバスの中でも使える。
フェスティバルでは無駄が大きな問題で、終わった後に残される折りたたみ椅子の始末が大変で、リサイクルが厄介だという。
その点、スイットパックの素材は一つ、リサイクルするにもグラインダーに掛けて整形しなおせば、新製品ができる。
レゴのブリックのようにポリカーボネートで出来ている。
何千回畳んでも壊れないという。
それにしても、面白い物を考えるものだ。
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