昔と同じように現代でも、子供を叩くことは、場合によってはしつけに必要なだと感じている親は多いようです。
アメリカでもGeneral Social Surveyの調査による統計で、親達は今でもお尻を叩くことはしつけに有効だと感じているようですが、1986年以降実践する親は着実に減り続けています。
1986年には約83.5%の親がお尻をたたくことはしつけの一つの方法だと感じていたのが、昨年には70.2%まで落ちています。
反して、子供を叩くことに反対する親は1986年には16.5%しかいませんでしたが、2014年には29.7%まで上がっています。
New Hampshire University Family Research Laboratoryの創設者、Murray Strausさんが2013年に書いた本には、叩くことによって子供の情緒の発展を遅らせ、学校の成績を悪くする可能性がある、と述べています。
また、叩かれた子供は将来、他の子供や、両親、または愛するパートナーでさえも殴る可能性が大きくなると言われています。
フランスの法律は子供に体罰を与えることを禁止していないので、ヨーロッパ・カウンシルから非難されています。
カナダの法律でも、状況によっては限度を超えない程度で、と曖昧な表現で記されています。
やはりこれは、しつけの一環としての体罰は親の責任において決めることで、政府が法律で取り締まる問題ではないということなのでしょうか?
最近日本で問題になっているモンスターチルドレン。
「体罰」が禁止されているのを逆手に取り、教師を追い込む生徒が増えているというのです。
教師を執拗に挑発し、挑発にのってしまった教師が生徒を平手打ちすると、「体罰だ」と訴えるそうです。
モンスターペアレントに続いて、教師に対して尊敬心などみじんも持たないモンスターチルドレンを排出する現代。
教師が生徒達の顔色を伺いLINEを使ってコミュニケーションを求め、生徒はそれを悪用し友達同様に教師とつき合う。
いくら体罰が禁止され、生徒に厳しい態度で接することが難しい時代とは言え、「疲てるから、今日は学校いかな〜い」とLINEで教師に軽くメッセージを送り、それを受け取った教師も「オッケー、明日は?」などというメッセージを返すなんて、世も末だと感じてしまうのは私だけでしょうか?
体罰はいけないことで、正当化する気など毛頭ありません。
でも今のような教師と生徒の関係で、生徒はなにを学びに学校へ行くのでしょう?
尊敬していない教師から学べるものなんてあるのでしょうか?
教師はもっと厳しく、時には優しく、生徒を導いていく存在であって欲しい。
そのような存在だからこそ、生徒は将来懐かしく教師を思い出すのではないでしょうか。
ネットからあらゆる情報が溢れ、スマホを使えば一瞬で誰とでも繋がる事ができる現代、ある意味子供達にとっては受難の時代です。
でも尊敬する心や人を思いやる気持ちだけは育んでいかなければ、いじめだって、ドメスティックバイオレンスだって、一生なくなりません。
体罰はいけないこと、でもモンスターチルドレンを増やさないために親は子供に興味を持ち続け、子供を怖がらず厳しく叱ることも時として必要なのです。